ピアサポート ―「同じ大学生」
として支え合うという選択
千葉学習センター
佐藤 元治さん
(名誉学生・58歳・1997年入学)
29歳から放送大学で学び続け、現在も現役の学生として学びを深めている佐藤さん。
「私は寄附者というより、“同じ学生”なんです」
学ぶ仲間が学び続けられる環境をつくりたい――。
そんな思いから、「チャレンジ募金」へご寄附されました。
放送大学チャレンジ募金のきっかけ――
支援ではなく“仲間として”
ご寄附を考えられたきっかけを教えてください。
データを見ていると、卒業率が必ずしも高くない。卒業したくても、できない学生がいるのではないかと思いました。 しかし、その思いは単なる“支援”の発想ではありません。私は寄附者というより、“同じ学生”なんです。だからこれは支援というより、ピアサポート。仲間同士の助け合いだと思っています。 放送大学は年齢も職業も立場も多様ですが、ひとたび入学すれば皆“学生”という同じ立場になります。私自身、29歳から学び続けてきた現役の放送大学生です。学費のこと、仕事との両立、時間のやりくりの大変さ。全部、自分も経験してきました。だからこそ、途中で諦めてしまう人がいるなら、それはもったいないと思います。 寄附金を奨学金として役立ててほしい――。それは“与える側”の発想ではなく、「学びの仲間が学び続けられる環境を一緒につくりたい」という当事者の思いです。同じ大学生同士が助け合えればいい。それだけなんです。
学びのハードルを下げる大学として
放送大学の魅力についてお聞かせください。
「定年になったら放送大学に通う」と言う人もいますが、私は若いうちに助走をつけて学んだほうがいいと思っています。 かつて地上波で放送大学の授業が放映されていた時代、大学進学率が今ほど高くなかった頃に、テレビを通じて大学の授業に触れられた意義は大きかったと思います。大学とは何か、大学教育が人生にどう役立つのかを知る入口だったのではないでしょうか。 放送大学は、学びたいと思ったときに門戸が開かれている大学です。年齢による不平等を感じたこともなく、「懐が深い大学」だと感じています。
学びとともに歩んできた人生
これまでの学びの歩みについて教えてください。
私は29歳から放送大学に通い続けています。その後も、八洲学園大学、明治大学大学院、日本福祉大学などで学びを重ねてきました。行政書士、保育士、FP、危険物取扱者など多くの資格も取得しました。 放送大学では認定心理士資格を取得し、日本心理学会の正会員にもなっています。特に印象に残っている授業は「自己を見つめる」です。渡邊二郎先生の講義は本当にためになりました。今も思い出すと、面白い授業や試験の記憶が次々によみがえります。趣味は勉強と音楽、そして鉄道(乗り鉄)。学ぶことそのものが、人生の喜びです。
学びは、次の誰かへつながっていく
ご寄附に込めた想いをお聞かせください。
進取の気性をもって革漉機を導入した曾祖父のDNAを受け継ぎ、私も世界に目を向け続けています。しかし、その知の探究心は自分のためだけではありません。
学びは、自分のためだけではない。次の誰かを支える力にもなる。寄附という形でのピアサポート。
それは、放送大学で学ぶ“仲間”への静かなエールであり、学びのバトンを次の学生へ手渡す行為でもあります。
同じ大学生として、共に歩む。その思いを込めて、これからも学び続けていきたいと思います。
学ぶことの楽しさや、続けることの大切さを知っているからこそ、佐藤さんは次に学ぶ仲間へ想いを託しました。
「同じ大学生として、共に歩む」――その寄附は、放送大学で学ぶ一人ひとりの背中を押す、静かな応援のかたちです。